「ADHD 用事を先送りにする」の症状
ADHDには、「やるべきこと・大事なことをついつい後回しにしてしまう」という特徴があります。
大切な仕事や集中力を要する事、時間のかかる事にとりかからなければならない時、なかなか着手できずに先延ばしにしてしまうのです。
この「先延ばしにしてしまう」という傾向に加え、そのタスク自体を忘れてしまうことも多々あります。また、タスクにようやく取り組はじめたものの、集中できずに取り止めてしまい、結局後回しに、といったこともよくあります。
ADHDには、こういったことが日常生活・社会生活に支障が出るレベルで頻繁に起こってしまうため、「だらしない」「やる気がない」といった印象を周囲に与えてしまいます。
またそれは、そのタスクの重要度に関わらず起こってしまうため、本人の社会的信用度にも重大な影を落としてしまいます。
- 自分の興味や関心のあることを優先してしまう。
- 目先のものに気を取られてしまう。
- 新しいことへの不安が強い。
などが原因になっていると考えられています。
「ADHD 用事を先送りにする」の症状例
- 「やらなきゃいけないことがある」といいわけし、期日がすぐそこまで迫っている大切な書類作成を後回しにしてしまう。
- 同時に二つの作業を頼まれ、その内の一つに取りかかるが、ももう一つのことが気になってしまい、どっち付かずの状態になり混乱の末、どちらもやらずに「どうすればいいかわからない」と言って寝てしまう。
「ADHD 用事を先送りにする」の対処法
やるべきことの前に、自分がやりたいと思うことを存分にやってしまう
すっきりして満足感・納得感を得ることができ、その後のタスクにうまく乗っていける可能性が高いです。
ひとつの用事を細分化する。
ひとまず「これだけ」やればいい、と細かい達成点を決めておけば、気が散らずに目前の目標に集中しやすくなります。仕事に限らず、イベント等の準備、掃除など、ついつい先延ばししてしまうようなことにも、こういった方法で対応できます。
「誘導タスク」を先行させる
読まなければいけない資料があるのに読むことを先延ばしにしてしまい、どうしても読めないような場合、朝家を出るときに1枚ずつ持って出かけ「通勤電車の中で1枚読む」と決めてそれを必ず守るようにすると、1日分は少ないけれど着実に読み進めることになります。
この「1枚ずつ」というくらい、ハードルを下げるのがポイント。
日常的な動作に本当に少ない量のタスクをうまく滑り込ませることで、「タスクにまずは取りかかり始める」ことができればうまく続けられる可能性があります。
タスクと「プラスイメージ」を結びつける。
「先延ばしにする」イコール「その作業に負の感情(つらい、楽しくない、しんどい)を抱き不快に思っている」ということともいえます。
直近のタスクと「それを成し遂げると(取り組んでいると)気持ちがよい、いいことがある」といったポジティブな感情を連動させるような仕掛けをすることで、タスクに抱いていたマイナスイメージを払拭し、取りかかりやすく仕向けることができます。
「タスク」自体を忘れてしまう場合は?
「タスク」自体を忘れてしまうことへの対策としては、オーソドックスですが、以下のようなメモ法がおすすめです。
- メモやノート(できれば気に入ったもの)にタスクを全部(些細なことでも)書き出し、いつも持ち歩く。タスクを一つこなす毎に、線を引っ張って消していく。
「すべてが一箇所にあり、このメモを見ればやらなければならないことが全部わかる」という安心感がポイント。WEB上のタスク管理ツールでも構いませんが、往々にして紙の方が成功率が高く続けやすい。
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