「ADHD 忘れ物が多い」の症状
ADHDの人は物をなくしやすいという特徴があります。
この忘れ物の多さは、ADHDの症状である「不注意」という特性が大きく関係しています。
物をなくしてしまい同じ物をまた改めて購入して用意したその後で見つかることも多く、同じものを増やしてしまう傾向にあります。
つらいのが、当の本人にも自覚はあって、忘れ物がないかチェックしたのに…と思っても、同じように忘れ物を繰り返してしまうということ。
治したいと思っていても治らない、そのジレンマに苦しむことも少なくありません
周囲からは反省しない相変わらずな人だとレッテルを貼られてしまいます。
なお、なにかにつけて「不注意」になってしまうのは、ひとつのことをしながら他のことも一緒にするという脳の機能に問題があるためと言われています。
この機能のことを「ワーキングメモリ」といいますが、大人のADHDは、ほぼ100%この機能に問題があり、いくつかのことを同時にこなしたり、ものごとの実行順序を考えたり、複数の中から最適な条件を見つけたりするのが難しい、といった特性を持ち合わせています。
本来の仕事はできるものの、電話をとったら伝言メモを必ずとる、といったような社会人であれば当たり前にできるような雑務ができないなどの傾向があり、周囲を巻き込んでのトラブルになることも少なくありません。
「ADHD 忘れ物が多い」の症状例
- 大事な会議なのに、肝心の資料を忘れる。
- 携帯電話をよくお店や電車等に置いてきてしまう。
「ADHD 忘れ物が多い」の対処法
これは、完全になくすことはできません。
なので、忘れ物ゼロを目指すのではなく、忘れにくくするための工夫をすることが現実的な策として有効です。
具体的には、「気づくきっかけを増やす」こと、具体的には、「目につくように」する、というのがコツです。
露骨なくらいがよいと思います。
「これ以上やりようがない」「ここまで準備したのだから忘れようがない」という状況にしてしまうのです。
なお、ADHDの人は、準備は万全だったはずなのに『持っていく』こと自体を忘れてしまうことがあるので、そのあたりも含めて「履いていく靴の上に置いておく」くらいの力技・気概も必要かもしれません。
忘れ物を繰り返すと、やっぱり人間落ち込んでしまいます。
自信を取り戻すためにも、少しでも症状を緩和できるよう、以下のような工夫をしてみましょう。
- とにかくメモ。いつもメモを持ち歩き、忘れてはいけない事があればメモ、事ある毎にしょっちゅう見返す。
- 仕事の始めと終わりに、深呼吸をし、その日の整理をする時間を設ける。
- 持ち物リストを作る。
- 翌日の準備をしたらどんどん玄関に置いておく。
- きれいにしまい込む収納ではなく、「目につきやすいように」見える収納をする。